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ここのところはネットからあえて少し距離を置いて、できるだけ「本」を読むようにしている。

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ずっと、「紙の本」を読むことから遠ざかり気味の毎日を過ごしていたので、久しぶりにまとめて本を読みまくると、なんだか懐かしい気持ちになってくる。

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小説、エッセイをはじめとして、半ば手当たり次第にいろんなジャンルの本を読んでいるのだが、先日、あるところから往年の「旅」という日本交通公社の雑誌がまとめて手に入ったので、楽しく読んでいる。
いまからもう50年近く前のものだ。
1971年9月号の特集は「郷愁の街道と民家」。
活字のサイズがとても小さく、老眼の進んできた目には厳しいが、濃い内容の誌面にはいま読んでも没頭させられるものがある。

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その中に、「合掌造りの民宿の泊まり心地」という記事が載っていた。
筆者は、「本誌特派」森村 桂さん。
・・・あれ?どこかで見たことのある名前だな、と思ったら、あの森村桂さんの文章だった。

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このとき彼女がおとずれた場所は、五箇山。
今年の夏にツーリングで泊まったところじゃないか。

この紀行文に、次のような一文があったのでちょっと引用してみたい。

「今、日本中、どこの家にもテレビがある。ストーブが赤々と燃え、家は便利なダイニングキッチンの文化住宅になった。ダンナさんは、休日にはゴルフに行き、ビールを毎日飲んでも怒られなくなった。奥さんはそうじや洗濯から解放されて、らくになった。息子や娘たちは、アルバイトすれば、すぐほしいものが買えるようになった。食卓のとんかつも厚さが倍になった。
 だけれども、そのかわり、私達は、家族の顔を、長時間見なくなった。私たちの団欒はテレビとの団欒になった。みんながお手洗いに立つのも果物一つとってくるのも、ちょっと会話するのもテレビのコマーシャルの時間に集中する、何と、わびしい生活であろうか。」

これが書かれてからすでに50年近い時間が経っているいまでも、そっくりそのまま当てはまりそうな内容ではないか。思わず苦笑いしてしまった。

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何気ない記事の写真にもいちいち楽しませられる。セリカ!

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古い雑誌の楽しみは、広告欄にも。
雑誌の広告は、時代時代の世相が反映されているので、通常の古書を読むよりも、ある意味リアルにタイムスリップ感が味わえる。

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こころのままにスイングするなら、チェリーです。

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旅がたのしい、ローレル。

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旅は、いい。

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物理的な「旅」はもちろんのこと、こうして、古い雑誌を眺めながら、過ぎ去った過去に思いを馳せる時間的な「旅」もたのしいものだ。

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考えてみれば、人生自体も、「旅」そのものなんだよな。