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先日、3年ぶりに伊香保温泉に泊まってきた。
前回泊まったのは3年まえ、よりによって大雪が降った日で大変だった。

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今回は雪も降らず、快適なドライブで10時すぎには渋川近辺へ。
お昼ごはんはやっぱり水沢うどん。

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午後は榛名山へ。
25年くらいまえ、バイクツーリングの途中でここまで来たような気がするんだけど、まったくもって覚えていない。
せっかくだからロープウェイに乗ってみることに。

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榛名湖は、北半分が氷で覆われていた。

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あっという間の空中散歩。所要時間は3分くらい。
ドイツで暮らしていた頃は、旅先でよくロープウェイに乗った。
ぼくは基本的に高所恐怖症気味なんだけど、ロープウェイは好きな乗りものだ。



先日、本屋さんでこんな本を見かけたので思わず買ってしまったほどだ。
ちょっと郷愁を誘う装丁も素敵な感じで、お気に入りの一冊になった。

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ここの搬器は、こぢんまりとしたかわいい2連式。

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頂上の神社まで、少しだけ歩く。

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冨士山神社。
神社らしくない真っ白の外観を見て、二人ともなんとなくギリシャを思い出してしまった。

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想像していたより雪は少ない。
 
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ロープウェイを降り、湖畔を少し歩く。
パンダさん、ちょっと寒そうだ。

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旅館に着き、荷物を置いて一息ついて、温泉街をぶらつく。

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こういったにぎやかな温泉街も、いまではすっかり少なくなってしまった。

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わが故郷のかみのやま温泉も、ぼくが子どもの頃はまだおみやげ屋さんも多く並んでいて賑っていたものだけど、いまではすっかりさびれてしまった。

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源泉が湧いているところのそばにあった飲泉所。
少し飲んだら、鉄っぽい酸味が強い味だった。

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泊まった旅館は、前回と同じ「福一」。
温泉にたっぷり浸かって、おいしい料理で満腹になって、そのまま熟睡。

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一夜明けて二日め。
わざわざ旅館の方がクルマを玄関前に準備してくれるのだけど、ハイゼット号だとやっぱりちょいと気恥ずかしい・・・。

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小一時間ほど走り、今日の目的地、富岡製糸場へ。

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世界遺産に指定されてからとみに有名になったここは、いつか一度訪れてみたいと思っていた。

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蚕からどうやって糸を作っていくのか、実演してくれていた。
それにしても、昔の人はよく考えたものだ。なかなか気の遠くなる工程だ。

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説明員のおじさんが、熱心に養蚕の歴史を語ってくれた。
世界遺産に指定されたのは、この製糸場の「建物」だけではない。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」という指定名称が表しているように、ここを中心とした養蚕技術も含んだ諸々が遺産指定されていることを理解するのが大事なことだと教えてくれた。

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確かにそうだ。どうしても「建物」だけに目が行きがちだけれども、それはあくまで可視化されているものの一部でしかない。

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ここを中心に、「糸」を紡ぐように連綿と繰り広げられてきた技術の歴史や、人々の喜怒哀楽。
そうした部分までいかに想いを馳せることができるかが大事なことなのだろう。

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ぼくが幼いころの親友の家は、昔、養蚕をやっていた。
その家に遊びにいくと、蔵の中には養蚕をやっていた当時の名残がいろいろ残っていた。
そんなことを懐かしく思いながら、工場を見てまわる。

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ここで、何百人もの女工さんが、日々働いていた。

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明治五年の開所当時は、欧米を見習って、かなり先進的な労働条件や福利厚生が取り入れられていたという。

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とはいえ、もちろん当時ここで働いていた方々には、いろいろな想いがあっただろう。
嬉々として仕事に励んでいた人もいれば、そうではなかった人たちもいただろう。

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だから、どんなものでも、どんなことでも一面的に考えることはしないように心がけている。

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同じものを見て、同じことを聞いていても、人の数だけ違った捉えかたがある。

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これまではともかく、これからは、そういった多様性に関してもっともっと寛容な世の中になっていってほしいと思う。

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こういう場所に来ると、おのずと、過去、現在、そしてこれからの未来について静かに想いを馳せることになる。

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人はみな、自分の生きる時代を自ら選ぶことはできない。
自分が生かされている時代の中で、何を想い、何を大切に生きるのか。
何の役に立てるのか・・・。

そんなことを考えさせられた、冬の終わりのいい旅行だった。