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先日ラジオを聞いていたら、版画家、滝平次郎氏の作品展が千葉の柏で開催されているとのニュースが流れてきた。

滝平次郎氏といえば、我が家にはこの二冊がある。
「三コ」と「八郎」だ。

子どものころ、ずいぶん繰り返して読んだ記憶があったけれど、もう永いこと開いてみたことはなかった。
せっかくなので、久しぶりにページをめくってみることにした。
奥付を見てみると、「三コ」は1971年の第5刷、「八郎」のほうは同じく1971年の第11刷だった。
45年まえの本だ。

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滝平氏の力強く圧倒的な画は、当時の僕にはさぞかし強烈だったはずだ。
いまあらためて見てみると、強さの中にもやさしさやぬくもり、あたたかさが感じられる。

すでにぼくは、物語の内容をほとんど忘れかけていた。
けれど、ページをめくるたび、子どものころ、読むたびに怖くて悲しい気持ちになった物語が、懐かしい紙の匂いとともに甦ってきた。

そう、本には匂いがある。
紙や印刷の違いからなのか、本にはいろんな匂いがある。
そしてその匂いは、記憶に直結する。
それを読んだときの気持ちや気分が、にわかに甦る。
これは、デジタルな書籍にはない、アナログな「本」の魅力のひとつだと思う。

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三コがまるごと持ち上げたという、寒風山。

三コも八郎も、大きくて強い、秋田の巨人だ。
そして二人とも、その優しさと強さを民衆のために使いきり、自ら死んでいった。



これをきっかけに、自分が子どものころに読んだ絵本たちを、また少しずつ読み返してみようかと思う。
はるか昔をを思い出すと同時に、子どものころとはまた一味違った味わいかたができそうな気がする。