わけあって、ここ数日TOEICのリスニング問題をやっている。
べつに受験するわけではないのだが。

TOEICとは、英語の総合能力を正しく評価するための指標として、かなり広く用いられているテストだ。4、5年くらい前に会社で強制的に受けさせられて以来なので、ずいぶん久しぶりだ。

ここ何年かでおれもずいぶん進歩してるんだろうなァ、と、鼻歌まじりで始めてみたら、あらまあ、全然聞き取れない!気づかぬうちにスピーカーを睨みつけ、見えない相手に怒りが込み上げてくる始末。

なにしろ、話すスピードが速すぎるのだ。脳みその翻訳機がまったく追いつかない。
英語って、こんなにも難しいんだったっけ・・・?

仕事上、メールの読み書きや電話など、日常的に英語は使っている。だから、それなりの自信はあったのだが、この一週間で完全にその自信は音をたてて崩れ去ってしまった。

考えてみりゃぁ、あたりまえだった。英語を使う相手は、99%、ドイツ人なのだ。
あいつらとなら、何不自由なくコミニュケーションできる。それが、この傲慢な自信につながっていたのだ。

あいつらも、英語は得意ではない。発音も、ヘタだ。
決して、「あいわなっちゅー!」などと抑揚たっぷりにセンテンスをつなげるような発音はせず、「あい うぉんと げっと ゆー」と、わかりやすく発音してくれる。
(それでも、私なんぞよりよっぽど流暢だが・・・。)

文法に関しても、仕事上の、あるいは日常会話程度の話題なら、中学校で習うレベルに毛の生えた程度で十分通用してしまう。

だから、すっかり「できる」気分になっていただけのことだったのだ・・・。

といった簡単な事実を改めて認識したがゆえ、気持ちも新たによりいっそうの英語学習に力を入れ・・・るわけはなく、「安易な英語崇拝はやめて、もっと日本語を大切にしよう運動」でも始めようかと思いをめぐらす23時であった。