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さて、いよいよこの博物館の目玉である、コンコルドだ。

コンコルド・・・。
小さい頃、よく図鑑を眺めていた。
おもちゃも持っていた。あの特徴的な動くクチバシが子供心にグッときた。
いかにも未来っぽいそのスタイルがとても気に入っていた記憶がある。

それから数十年。とくに飛行機好きになることもなく、ましてや搭乗する機会なんてなかったので、コンコルドの存在は僕の記憶からどんどん薄れていった。
かろうじて知っていることといえば、もうすでに現役を引退していることくらいか・・・。

そんなコンコルドの実物が、いま目のまえにある。

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あの特徴的な翼のカタチ、空気を切り裂くようなスタイル、子供のころの記憶のままだ。
違うのは、それが実物大だということだ。
僕の記憶の中のコンコルドは、全長15センチくらいのおもちゃでしかない。
しかし、実物はやはり大きい。モノというのは、写真でいくら見ても、そのスケール感というのはあまり伝わってこない。実物を自分の目で見て初めて、ようやく実感がつかめる。

ぽかんと口をあけたマヌケ面で、しばし仰ぎ見る。
やはりその存在感は相当なもの。「怪鳥」という表現がまさにぴったりだ。

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らせん階段をのぼり、内部へ。

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胴体は思いのほか細く、意外に窮屈な印象だ。

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2列がけの席が左右に一組ずつ、横4席の座席配置。B737などの中型ジェットよりも断然細い。
機体は、いまにも飛び立ちそうな角度で展示してあるため、内部は相当の斜面になっている。
ふつうに歩くのがちょっと大変なほど。おまけに、なんだか、全体がゆらゆら揺れてるし・・・。

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前方のドアが、換気のためか一部開いていた。おそるおそるのぞいてみると、相当怖い。
それもそのはず、このドアの位置は、最初の全体写真でいうと、ちょうど機体に書かれた「AIR FRANCE」の「E」の文字のちょいと前方あたりなのだ。

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操縦席。一面計器だらけである。これをすべて理解し把握しているパイロットには、まったく敬服するほかない・・・。

よろめきながら後方へ引き返し、外へ出る。

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ここには、となりにもう一機、一見コンコルドに見える飛行機が展示されている。
旧ソ連のツポレフTu144だ。(写真手前のほう)
正直、この飛行機は全く知らなかった。
調べてみると、一説にはソ連のスパイ活動によるコンコルドのコピーとも言われていたものらしい。なるほど、異常によく似ている。というより、素人にはほとんど区別がつかない。
こちらも、コンコルド同様に機内へ入ることができる。

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コンコルドに比較して、明らかにこちらのほうが広い。機体の直径が大きい印象だ。

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操縦室は、旅客機というより、ちょっと昔の戦闘機のような印象。あまり洗練された感じではない。


これら2機の超音速旅客機は、ともに'60年代後半から'70年代にかけて開発され、夢の超音速旅客機として華々しくデビューした。(ツポレフのほうはあまり華々しくなかったようであるが・・・。)
いかにも未来を予感させるような、従来の飛行機とは一線を画したそのスタイルは、まさに機能美そのものといったものであり、いま見ても全く古さを感じさせない。
理にかなったものというのは、例外なく美しい。

その後、「夢の超音速旅客機」は、燃費や騒音などの問題をはじめとして、時代の流れにそぐわなくなってしまい、ついには姿を消してしまった。
長い歴史の中で、じつにさまざまな技術が生み出されては消えてゆく。
その中には、人類にとって有益だった技術もあれば、必ずしもそうでなかったものもある。
そういった過去の技術を、こうして目に見える形で残し、伝えていくことは、とてもすばらしいことだ。

温故知新。

新しいものを生み出すためには、まず、過去から学ぶことから始めるのがたいせつだ。


- おまけ -

とはいうものの、この博物館、ちょっと断片的に集めすぎなんじゃ・・・。(笑)
まぁ、楽しいからいいんだけど。

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しっぽだけとか・・・、

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あたまだけとか・・・。


(もう一回だけつづく)