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Olympiadorfにはまた、他とはあきらかに異なる雰囲気の一角がある。

他の建物と違って、低い2階建てのこじんまりしたバンガローのような建物が密集している地域だ。
ここは、オリンピック当時、女性用の宿舎になっていたところである。

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近づいてみると、それぞれの建物には、落書きというべきかアートというべきか、さまざまなペイントが施されている。建物自体が自由なキャンバスになっているかのようだ。
はて、いったい、これはなんなんだろう?どんな住人がすんでいるんだろう?

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ここらへんは、すでに誰も住んでいる気配はなく、空家、というか廃墟状態になっているし・・・。

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すでに取り壊しが始まっているところも・・・。

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じつはこの区画は、通称"Olydorf"といって、学生専用に提供されている格安居住区画なのだそうだ。日本でいえば大学の学生寮みたいな感じか。
そうしてみると、なるほどうなずけるフンイキだ。
ヨーロッパの若者文化の一端が垣間見れるようだ。

しかし、一部分ではすでに取り壊しが始まっていることから想像するに、この一帯は再近々開発される予定なのかもしれない。
たしかに古いし猥雑な感じもするし、多少アブナイ雰囲気が漂ったりしているものの、これはこれで一種のサブカルチャー、このままとり壊してしまうのはもったいないしさびしい気もする・・・。
いくら古くてもキタなくても、ここに住んでいる、あるいは住んでいた若者たちにとって、きっとここにはかけがえのない「青春の思い出」がたくさん詰まっているはずなのだから・・・。

とはいえ、そのすぐとなりに目を移すと、そこにはオープン間近のBMW Weltがその超モダンな全貌をあらわにしている。
その景観のギャップを見てしまうと、取り壊しもやむなしか・・・、という気持ちになるのも事実であり、じつに複雑な気持ちになる。

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最後に、Olydorf周辺を撮影した動画をYoutubeから。

Olympiadorf München
altes Olympiadorf München 2007, vor dem Abriss