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朝、洗濯してると・・・、

電話がきた。友人Aからだ。
「天気がいいからバイク乗りに行こうぜぃ!」

ということで、さっさと洗濯を済ませ、10時半すぎに出発。
今日の目的地は、山のほう(笑)。
よくわからないが、とりあえずついていく。
アウトバーンでオーストリアとの国境近くまで南下。
140~160km/hくらいのペース。
初めてのドイツ人とのツーリングなので、いささか、いや、かなりドキドキだ。

国境の手前でアウトバーンを降りる。

そこからは、くねくねとした細めの山道。
日本の3ケタ国道とよく似た雰囲気だ。

しばらく走ると、大きな道に出た。
ここは、かなり走り屋が多いところだそうだ。
たしかに、いかにも気持ちよさそうな中高速コーナーが続いている。
「バイクは気をつけろ!」というような看板がたくさん立っている。
クレイジーな面々がものすごいイキオイで走っているらしい。
今日は全然いなかったけど・・・。

横道にそれ、スキー場のレストランで昼食。

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あたりにはまだ雪が残っている。

地元スペシャルだというメニューを頼んだら、これだった。

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「巨大いもだんご」の盛り合わせ!
この「いもだんご」は、日本でいうところのおにぎりみたいなものだろう。肉料理のつけあわせなんかによく出てくる。
しかし、このいもだんご、じつはあまり好きではないのだ・・・。
しまった、失敗した・・・。
と若干後悔しつつも、食べてみたら意外においしい。
とはいえ、ひとつひとつがでっかいので、だいぶ残してしまったけど・・・。

その後、快調に気持ちのよい道を飛ばす。
すべて一般道だけど、130km/hくらいのペース。日本じゃあり得ないな・・・。
走っていると爽快なんだけど、キョロキョロとあたりの景色を眺めながら走るにはちょっと厳しいペースだ。
ひとりだったら、もっとペースを落として、ちまちまと写真を撮りつつ走るだろう。

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Tegernseeでコーヒー。
この湖にはカジノなんかもあって、セレブたちもたくさん集まる「ハイソなところ」なのだそうだ。

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教会があったので中に入ってみる。
ここで、ちょっとした宗教話になる。友人Aは「無宗教」なのだそうだ。
理由を聞いたら、なるほど・・・、なかなか納得できる話だった。

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Isar川をまたぐと、有料道路が。
おひとりさま3ユーロなり。
しばらく、Isar川沿いの道を走る。
川の水は澄んでいてとてもきれい。
この川は、この先、ミュンヘンのまんなかを流れていく。

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またしばらく走って、先週通ったKochel see近くの峠でひとやすみ。
聞いたらこの峠、土日祝日はミュンヘン方面(北→南)からは二輪車通行禁止なのだそうだ。南→北方向のみOKなのだそうだ。事故が多いからなのだそうだ。知らなかった・・・。
幸い、先週も南→北方向へ走ったので問題なかったけど。

「おまえの走ってるとこ見てると、身体の動きがオーバーだ。身体ばかり動いてバイクが曲がってないよ。逆操舵、使ってるか?」と言われる。
たしかに、どうも曲がりにくいなぁ・・・、と思ってたところだ。
曲がるときにハンドルに力を入れる「逆操舵」は、ずっと昔、これにばかり頼った乗りかたをしていて転倒して以来、まったく使わずに乗っていたので、いつのまにかヘンなクセがついていたようだ・・・。
「曲がるときは積極的に逆操舵を使うと曲げやすいぞ」とアドバイスされ、以降、試しに意識してリーンのきっかけに逆操舵を使うように心がけてみる。
すると、おお、たしかに曲がりやすいではないか!
うまく乗れてない原因はこれだったのかもなぁ・・・、とヘルメットの中で頷きながら走る。
しかしオートバイは奥が深い。
いいきっかけなので、もう一度ライディングを勉強してみようっと。

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ミュンヘンまで戻るのにアウトバーンでは味気ないので、いなか道を気持ちよく吹っ飛ばす。
友人Aも道に迷い、何度か道を間違えつつ、19:00ごろミュンヘンに戻る。

友人Aの行きつけのカフェでひとやすみ。
気のいいマスターや近所の常連さんたちなど、彼の友人たちを紹介してもらう。
「おぉ、キミのことはいつもこいつから聞いてるよ!」などと、みんなすごくフレンドリーだ。
コーヒーとビール(ノンアルコールね)をおごってもらってしまった。ダンケシェーン!

そう、こういうのって、とてもうれしい。

すこしずつ、いろんな人たちと出会い、ちょっとずつちょとずつ世界が広がっていく。
会社の同僚以外にもドイツ人の知り合いができてくる。
「ドイツ」の「日常」に、ちょっとずつ触れられるようになる。
僕が、どうしてもオートバイが欲しいと思ったのは、ただ走りたい、というだけでなく、こういった「出会い」のきっかけもつかめると思ったからだ。
そういった意味で、僕にとってオートバイは、自分の世界を広げてくれる頼もしい相棒なのだ。

みんな英語で話してくれるし、ドイツ語が話せなくても、覚えたてのカタコトドイツ語ひとこと口にしてみるだけで、みんな、ニコニコとてもうれしそうにしてくれる。
「異邦人」の僕を、みんな何の偏見もなく迎え入れてくれる。
それが、どれだけうれしいことか。
それが、どれだけ僕を孤独感から救ってくれることか・・・。
じつにうれしく、あたたかく、ありがたいことだ。

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本日の走行、350km。
身体じゅうが痛い・・・。
たった350kmでこれか・・・、情けない。
鍛えないと、こりゃ・・・。