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週末の天気は大荒れ、のはずだった。

回復の見込みは、どうみても、ない。
だから、同僚Mさんと計画していた今回の峠行は、金曜夕刻の緊急会議で、やむなく見送ることにしたのだった。
その決定が正しいことを裏づけるかのように、夜には激しい雷雨が・・・。
いきおい、金曜の夜はすっかり油断して夜更かししてしまい、土曜、目が覚めたのは11時を大きく回った時間。

「どうせ、雨だもんなぁ。今日は何して過ごそうか・・・」と、寝ぼけた頭でカーテンを開けると、そこには予想だにしなかった青空が。

あわててバルコニーに出て、周囲を見渡す。怪しげな雲は、どこにも、ない。
アルプスが広がる遥か南のほうまで、きれいに晴れ渡っている。

そんな・・・。信じられない。

半信半疑でコーヒーを入れつつ、PCで天気概況をチェック。
昨夜まで広い範囲を覆っていた厚い雲は、すっかり東に抜けてしまっていた。

「これは・・・、判断を間違った!」

とっさにMさんに緊急電話。
全員一致で(といってもたった二人だが・・・)急遽、出発することに。
こういう決断の早さ、大切なんだよなぁ・・・。遊びも仕事も。

あわてて身支度を整え、オートバイにパニアケースを取りつけて荷物を放り込み、いざ出立。
近所のGSでタンクを満タンにし、空気圧をチェック、ATMでお金を引きずりだす。

Mさんのアパートに着いた時点で、すでに13時。
つくづく、昨夜夜更かしした自分がうらめしい・・・。

細かい話はあとにして、まずはアウトバーンにのり、アルプス目指して南下。
前を走るMさんのクルマは、涼しい顔で170-180km/h巡航。
僕の1100RSも、快調についていく。
新品のタイヤ、オイルも交換したばかり。
オートバイには何も不安はないのだが、まだ半分寝ぼけている身体にはちょっと刺激が強い・・・。

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Garmisch-Partenkirchenから進路を東にとり、オーストリアへ入ったところで小休止。
すでに時刻は15:30。今日の行程を練ることに。
とりあえず、今日のところは今回の目的地であるStelvio峠の手前の町まで行き、そこでキャンプ場を探すことに。
ハイライトは明日までおあずけ、である。

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オーストリアを縦断し、イタリアに入ったのは18:00すぎ。
ここは、イタリアに入ってすぐの場所にあるLago di Resia

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明日は、あの山々を這いつくばる峠へ挑むのだ。

(つづく)