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Ferdinand Porsche。

かの有名なポルシェ博士である。
フォルクスワーゲン・ビートルを設計したことはあまりにも有名だ。

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そしてその息子、フェリー
この博物館の主役である356は、彼の手によって設計されたのである。

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ポルシェの名を冠した最初の試作車、PORSCHE 356 No.1の図面。
エンジンはリアではなくミッドシップマウントの2シーター。
図面には、1947年7月17日の日付が記されている。

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傍らのガラスケースには、各種エンブレムや当時検討に使用されたのであろう模型などが。

さて、ここからいよいよ車両の展示スペースに足を踏み入れる。

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まずは1F。
手前から、916 ( '72年) 、 356アルミボディー"グミュント・クーペ"( '48年)、それに356ボディーの木型が並ぶ。

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いきなり916がお出迎えとはいささか意外・・・。
なんだかちょっと唐突なレイアウトのような気がするも、これはこれでものすごく貴重なモデルであることは間違いない。なにせ、生産台数、たったの11台なのだから・・・。

そういえば、ベースモデルの914は、その昔「ワーゲンポルシェ」なんて言われてたなぁ。
子供のころ、世間はまさに「スーパーカーブーム」まっ盛りだったので、当然、914の存在も知ってはいたが、当時から「全然かっこよくない!」って思っていた。
残念ながら、その印象はいまでも変わらない。ごめんよ・・・。
でも、これは仕方がない。好みの問題だ、許しておくれ・・・。

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いっぽうの最初期型356。
ここグミュントの工場で、ほぼ手作りに近い形で量産された、ポルシェの原点といえるクルマだ。
ボディはアルミ製で、クーペが43台、カブリオレが8台生産されている。

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この、叩き出された跡を見よ!

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トンテントンテンと、アルミを叩き出している音がいまにも聞こえてきそうだ・・・。

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僕は、昔からずっと356が好きだ。
星の数ほどあるクルマの中で、もっとも美しいクルマだと常々思っている。
あの芸術的で官能的な曲面、愛らしい表情・・・。

その356が生み出されたまさにその場所で、いまこうしてその誕生の過程を垣間見ている。
これを感動といわずして、いったい何と言うのだろうか・・・。

(つづく)