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なにかと気ぜわしい3月。

出会いと別れ、悲喜こもごもの季節はもう間近。

そんな、情緒あふれる巷の雰囲気をよそに、こちらは住宅ローン減税などというものの恩恵に預かるべく、わざわざ会社を休んで確定申告へ。
情緒もなにもあったものではない。

我が家、気づいてみたら新築してからもう三年。
本来ならば、建てたその年、あるいは翌年にはこの確定申告というものをやっておかなければならないのであるが、僕の場合、引越しして間もなく海外逃亡してしまったがため、今回、初めて申告することとあいなったわけだ。

汗水たらして冷や汗かいて、そうやって毎日がんばって働いて、やっとの思いで稼いでいるお金。
その中からどぉんと徴収されていく税金が、申告すれば戻ってくるのだ。
めんどくさいし全く得意分野ではないのだが、やらないわけにはいかない。

必要な書類を調べて、かつて行ったことなど一度もない法務局などというところへ行って登記事項証明書をもらったり、足りない書類を集め、会場へ。
家を建てた当時の書類なんかをひっくり返していると、当時のことがありありと思い出されてちょっと懐かしい。
あれからたった三年だけど、いろいろあったなぁ。

思いのほかたくさんの老若男女でごった返す会場。
得意分野ではないので、なんだか敵陣にひとりポツンと迷い込んでしまったかのような一抹の不安。
係の方々に説明されるがまま、各種申請用紙に記入していき、約1時間ちょっとで無事終了。
これで、払った税金がいくらか戻ってくるわけだ。めでたし。

会場と同じビルにある図書館に立ち寄って、何冊か本を借りる。

平日昼間の街。駅前は思いのほか人が多くてちょっとびっくり。
普段はこんな時間に駅前をぶらつくことなんてめったにないから、目に入るいろんなものが新鮮に映る。
ちょっとうれし楽しい気分になる。
たまにはこういうのも必要だよなぁ。

家に戻ってから、あらためて我が家を見わたす。

誰のためにでもなく、自分たちだけのために建てたこの家。
過去、現在、そして未来の自分の「核」となるこの家。

かつてないほど、自分の想像力を限度いっぱいに膨らませて、「ゼロ」から創ったこの家。
もちろん、正確には「創ってもらった」と書くべきなのだろうけど、自分が創ったんだ!と思えるくらいに、自分自身も考えに考え抜いたこの家。

自分の趣味の都合上、普段、このブログはどうしてもガレージ関係の話題ばかりになりがちだけど、もちろん、それ以外の部分についても、考えることに関して、一切、手抜きはしなかった。

だから、いま、心から満足している。
細かい不具合など、まったくどうでもよい。そんなのは、工夫すればいつでもどうにでもなる。
コンセプトが間違っていなければ、それでいいのだ。

おそらく、自分の人生の中で最高額の出費になったであろう、この「家」というテーマに対して、微塵も後悔しない結果にできたことを、やっぱり、とても幸せに思う。

自分が大事に思うことに対しては、やっぱり手抜きしちゃいけない。
自分が持てる限りのアタマを使って、時間をかけて。そして、ちょっとだけ運も使って。

それができたら、何事も、きっと、後悔はしないはずだから。