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先日、電車でパリに行ってみた。

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まだ暗い早朝、Stuttgart中央駅。
ここから、フランスの高速電車、TGVに乗りこむ。

生まれて初めて、TGVに乗った。
鉄道には疎いので知らなかったけれど、TGVは2007年、574.8km/hの最高時速を記録していたようだ。



これは・・・、速い。
ブガッティ・ヴェイロンもびっくりだ。

さすがに営業運転ではそこまで速いスピードは出さないものの、それでも十分速く静かで、快適な移動。

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行きはちょっとぜいたくに一等車にしてみたら、飛行機みたいに食事まで出てきて、うれしい驚き。

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そんなこんなで意外とあっというまの三時間半。
列車は、何事もなくパリ東駅に到着。

パリは今回で二度め。実に十二年ぶりだ。
もう、まったくといっていいほどまるで記憶がない。

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とりあえず予約しておいたホテルに向かう。

東駅からすぐ近くの北駅を通り、少しだけ北に歩く。
このあたりはインド、アフリカ系の移民街のようで、通り沿いにはずらっとインドチックな店が並び、そこかしこからカレーの匂いが漂ってくる。
すれ違う人々もインド人ばかりで、なんだか間違って違う国に来てしまったかのような錯覚に陥る。

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天気はあまり安定せず、雨が降ったりやんだり、あいにくの空もよう。

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観光バスと地下鉄を使って、いろいろと行き当たりばったりに。
セーヌ川にかかる橋には、恋人たちがくくりつけたカギがびっしり。

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ひとつひとつに、いろんな想いが込められているんだろうな。

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イヌが、いぬを連れて散歩。

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ドイツと違って、パリはスクーターがとても多い。この季節はこんなふうにレッグカバーをつけるのが定番みたいだ。
Piaggioの三輪スクーター、MP3が大人気のようで、とてもよく見かける。
デビューした数年まえのころは、なんだかとても異様に見えたけれど、見慣れるとなかなか悪くない。
石畳の荒れた路面を、颯爽とバンクさせて走っていく姿を見ると、思わずちょっと欲しくなってしまう。

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ルーブル美術館。雨上がりの夕日が建物に映えて、とてもきれいだ。

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入口のピラミッドは、異質な感じがしてちょっと落ち着かない。

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この季節の夕暮れは、物哀しくせつない。
だけど、しんみり暖かくココロに染みる。

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モンマルトル。サクレ・クール教会。
ここからの眺めは抜群だ。
この界隈はとても雰囲気があって、歩いていて飽きない。

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まずは一通りぐるっと周ってみて、やっと地図と実際のスケールイメージが揃ってくる。
パリは、やっぱり広い。

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ノートルダム寺院。

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つまらないくらい定番のアングルだ。

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シテ島近辺は常に観光客でごった返しているので、教会の中の静寂に少しほっとする。

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地下鉄も、1番線などの幹線路線はトーキョー並みのギュウギュウ詰めだったりして、都会に慣れてない身にはちょっとしんどい。

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今年は、リスボンでサイフをまんまとすられてしまった苦い経験があるので、こんな大都会に来ると、つい必要以上に用心して警戒してしまう。
ま、そのくらいがちょうどよいのかもしれないが。

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オシャレでボンジュールなイメージ満載のパリィだけど、こうしていま平和に観光している場所のあちらこちらに、かつての実に血なまぐさい歴史が眠っているわけなんだよね。

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はるか昔、学生のころ、オードリー・ヘプバーンの映画をずいぶん見たものだった。
"Funny Face"、"Charade"、"パリで一緒に"、"おしゃれ泥棒"、そして、"いつも二人で"。
僕の頭の中で、「パリ」のイメージは、これらヘプバーンの作品から、脚色されまくりで創られていった。

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僕にとっては、それは完全に「別世界」だった。
学生のころの僕は、海外のことなど、まるでひとかけらも興味がなかったのだ。
行ってみたいと思ったこともなかった。

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そんな自分が、こうやっていま、ノホホンとパリを歩いている。
人生、つくづく不思議なものだ。

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凱旋門の上から、シャンゼリゼ大通りを眺める。
頭の中で、「おお、シャンゼリゼ~♪」がエンドレスリピートで流れる。

ルイ・ヴィトンの本店を横目に、僕の関心はルノー、シトロエン、プジョーのフランス車御三家ショールームへ。
普段、お堅いドイツ車ばかり見ているので、少し肩の力の抜けた、La Vie en Roseな雰囲気が心地よい。

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Hiroshige。
日本文化、ばんざい。

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以前はよく、「フランス人はフランス語に誇りを持っているから、英語を話そうとしない」なんて聞いたものだけど、いまはもうほとんど誰もが英語を話してくれるので、ありがたい。

母国語に誇りを持つのは、とても大事なことだと思うし、母国語は、守るべき大切な文化だ。
でもその一方で、世界の共通語としての英語を少しでも身につけておくことは、やっぱり重要なことだ。
ヨーロッパでは、5、6種類の言語を身につけている人がザラにいる。
じつにあっぱれだ。

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エッフェル塔。ここだけは以前の記憶がおぼろげながら、ある。

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その日は雨が降っていて、てっぺんの吹きさらしの展望台で、高所恐怖症気味の僕は、腰を抜かしそうになったのだった。

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グランパレ。ガラスドームが美しい。

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夕飯にと入ってみたレストランでは、メニューは黒板に書いてあるのみ。
当然ながらまったく読めず、お店のお兄ちゃんにアレコレ聞きつつオーダーする。
出てきた料理はどれも絶品のおいしさで大満足。

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市庁舎を横目に、少し川沿いを東へ歩いていくと・・・、

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アンティーク屋さんが集まった一角が。

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ちょっとチープで懐かしい感じの灰皿に目が留まる。

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ガレージに置いたらとてもいい感じだろうと、こんな可愛らしいマルティニの灰皿を衝動買い。
といっても、今回買ったものといえば、この灰皿くらいで他にはな~んにも買ってない。
モノより思い出。

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街角でふいにこんなものに出くわすと、そのステキさ加減に気絶しそうになる。

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あてどもなく歩いた、2012年晩秋のパリ。