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幼なじみの仲間から、「厄払いさこねが~?」と声がかかった。

そうか、もうそんな歳なのかぁ・・・。
しばらく実家に帰ってないし、久しぶりにみんなと呑めるのも楽しみだ。

というわけで、一泊二日の里帰り。

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土曜の朝、出発前にタイヤの履き換え。
まだ、雪なんて降らないだろうけれど、念のため準備しておくのに越したことはない。

磐越道から、東北道に合流し、北を目指す。
ハイゼット号は快調だ。
少々耳障りなエンジンノイズとフラフラするハンドリングさえ我慢すれば、高速道路のクルージングも十分こなしてくれる。

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山形道に入ったとたん、あの重たい色をした冬の雲が空を覆った。
で、雪がちらついてきた。
あらら、もう、すっかり冬じゃないか。

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笹谷トンネル近辺は、早くもシャーベット路面に。
タイヤ、交換してきて、よかった~。

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どんな道でもへっちゃらだぜ。
いざとなったら「4WD」と書いてあるボタンをポチッと押せば、もうなにも怖いものはない。

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無事、お昼すぎに実家へ到着。
夕方までのんびり過ごし、仲間たち3人と合流し、いざ、厄払いの八幡様へ。
4人がそろうのなんて、もう何年ぶりになるか記憶にないくらいだけど、まあ、まるで毎日会っているかのような気のおけなさはあいかわらずだ。

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かしこみ、かしこみ。
みんな、神妙に頭を下げて。

滞りなく厄払いの儀式を終えた我々は、さっそく駅前へ繰り出し、久々の再会とお互いのこれからに乾杯。
やっぱり、ふるさとや旧友は、じつにいいものだ。
いくつになっても、みんな変わらず、飽きることなく昔の話題を引っ張りだしては大笑い。

人生の折り返し点をもう過ぎているであろう、我々。
自分もみんなも、よくここまで無事に生きてきた。
これからも、可能な限り、楽しく笑って生きていこうじゃないか。

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さて今回は、でっかいトランクと、祖母の形見である桐のタンスを実家からいただいてきた。
なんでも積めるハイゼット号の面目躍如。
我ながら、ほんとにいいクルマを選んだと思う。

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帰り際、道ばたにハイゼット号を駐め、雪化粧した蔵王をながめる。

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この景色は、ほんとうに落ち着く。
僕の、原風景だ。

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もう一カ所、ふと思い出して、寄り道してみた。

まだ、あった。

自分が、モノゴコロついたころに住んでいたアパートだ。
帰郷するたびに目まぐるしく変わってきていく山形の町並みの中、まさか、まだ取り壊されずに残っていたなんて。奇跡みたいだ。

このアパートの玄関ドアに指を挟んで、大泣きした。
おもちゃを片付けず、いつも散らかしっぱなしにしていた僕に腹を立てた母が、窓から大切なミニカーたちを外にぶちまけ、これまた僕は、大泣きした。
そんな、断片的な記憶だけが残っている、このアパート。

いまも、誰か住んでいるのだろうか。
それとも、クルマが一台も駐まっていなかったから、いまは誰も住んでいないのだろうか。

感慨深い気持ちで、そっと、一枚だけカメラに収めさせてもらった。

ふるさとを後にするときはいつも、やっぱり、少しだけせつない。

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持ち帰ってきたトランク。
例によって革がカサカサでいまにもちぎれそうな部分もあるけれど、とてもいい質感と存在感だ。
どんなふうに活用するか、じっくり考えよう。

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ばぁちゃんの桐ダンスも、濡らすことなく無事に運んでくることができた。
こちらも、とてもすてきだ。大切にせねば。