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ヒーター効かなくなった!寒い!

・・・と、毎日パンダ号で通勤しているえい坊からクレームが入った。

話を聞くと、スイッチを入れても、まったくファンが回らなくなっているようだ。
スイッチの接触不良だけだったらラクなんだけどなぁ・・・、と考えつつ、この週末点検してみた。

ちなみに、パンダ号の空調システムは、ヒーターとクーラーが完全に別系統のシステムになっている。
ヒーターは、ボンネット上のエアインテークから導入された外気が、ヒーターコアを通過してそのまま室内に入るしくみ。最悪、ファンが回らずとも、走ってさえいれば走行風が勝手に温風となって室内に入ってくる。
すばらしいフェイルセーフ設計である。

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ダッシュボードを外して、スイッチの接触を点検するも、こちらは正常のようす。
仕方がないので、ヘインズのマニュアルを開きながら、ヒーターユニットの分解に入る。
バッテリーを外し、バルクヘッドのインシュレーター一式を外すと、なんとかファンが内蔵されているハウジングにアクセスできる。
エンジンルーム中央、室内寄りにある樹脂製の大きな箱がヒーター用のエアインテークだ。
この中の奥に、ファンとヒーターコアが入っている。
当然のことながら、ボンネットにも外気取り入れ用に縦スリットが開いているのだけど、フツウ、ボンネット上のエアインテークといえば、ターボ用インタークーラーのエアインテークあたりを想像するのだけど、タダの暖房用というがパンダらしくてお茶目である。

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ハウジングの中からファンを取り出してみると、モーター内部からものすごい量の金属粉が。
長年酷使し続けているから、きっとブラシが大量摩耗して接触不良を起こしているのだろう。

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こりゃ、モーター交換か?とも考えたけれど、ダメもとでとりあえずせっせと掃除してみる。
毎日寒いけど、陽が照っていれば日中は比較的暖かい。
こんなふうに、休日の昼下がりに、のんびりクルマ修理に精を出すのは、僕にとっては至福のひととき。

一生懸命掃除したおかげで、あっさりファンは復活してくれた。
これで、当面はだいじょうぶだろう。よかったよかった。

このご時世、なにかと古いモノに対する風当たりが強くなってきている。
登録後13年を経過したクルマ(とバイク)では、税金も増やされるみたいだ。
その代わり、エコな最新鋭のクルマたちは、いろいろと優遇される。
仕方ないのだろうけれど、どこか悲しい。

僕には難しいことはわからないから、こんなふうに、自分でちょっとひと手間かけてあげれば、すなおに機嫌を取り戻してくれる、古くてシンプルで簡単な機械が、やっぱり大好きだ。
そういうモノは、持ち主に可愛がられながら、きっと長らく生き続けることができる。